脂肪注入

目の下への脂肪注入

脂肪吸引・注入

目元の老化、特に目の下から目尻にかけてのハリ感、弾力の低下を感じ始めていませんか。そんなあなたにお勧めするのが自分自身の細胞を使って肌を若返らせる最先端の治療「脂肪注入」です。
弛んでしまった目の下の皮膚や脂肪層に脂肪を注射するだけで肌のハリや弾力がよみがえります。
まずは脂肪注入について知ることから始めましょう。

脂肪注入とは

脂肪注入とは、お腹や太ももから皮下脂肪の塊を採取し、脂肪を細胞レベルにまで細かく分離処理、その脂肪細胞を目の下に注射することで目の下の凹みを埋めたり、目の下全体に注入することでハリや弾力を高め目元の若返りを実現します。
ヒアルロン酸注射とは違って、脂肪は吸収されませんので非常に長い効果が期待出来ます。

脂肪注入でできること

下まぶたの皮下、さらに深い脂肪層などに脂肪を注入することで、たるみを下から持ち上げてハリ・弾力を作り出します。

  • たるみを解消する
  • 目の下の凹みを治す
  • シワを消す、薄くする
  • 目の下のクマを治す
  • 肌のハリ、弾力を改善させる

脂肪注入の実際

ここでは目の下への脂肪注入の実際の治療方法についてご紹介しましょう。
脂肪注入は、脂肪を採取する工程、採取した脂肪を加工する工程、脂肪を注入・移植する工程、この3つの工程で治療が行われます。

ー 脂肪の採取

採取する脂肪は移植に適した脂肪を採取する必要があります。二の腕やふくらはぎなどの皮下脂肪は繊維も混ざっており、脂肪注入には向いていません。脂肪注入に適している良質な脂肪というのは、お腹、腰、太ももに付いている皮下脂肪です。ここではお腹から採取する場合についてご紹介します。

1.デザイン

皮下脂肪を吸い出す吸引口の位置、吸引範囲をデザインします。

2.麻酔

吸引口を中心に、吸引範囲全体に麻酔薬を散布します。この麻酔薬の散布には強痛みを伴います。そのため痛みに対し不安な方は静脈麻酔やリラックス麻酔(吸入麻酔)などの併用をすることで苦痛を緩和することができますのでお勧めです。

3.吸引口の作成

脂肪吸引は皮下脂肪層に吸引カニューレ直接挿入して皮下脂肪を吸い出します。そのためカニューレを挿入するための入口、吸引口を作成する必要があります。
皮膚を1センチ程度切開し、さらに奥深くの脂肪層まで吸引カニューレを挿入します。

4.脂肪吸引

皮下脂肪を吸引していきます。脂肪の処理方法によって違いますが、採取する皮下脂肪の量は注入する脂肪の量の10倍程度は採取します。2mlの場合、最低でも20mlは必要ということです。
ただし、脂肪幹細胞などを混ぜた混濁液を扱う場合、細胞数が少ない可能性があるためより多くの皮下脂肪を吸引する場合もあります。

5.絞り出し・縫合

脂肪の採取が終わったら、麻酔薬や血液が吸引部に溜まっている場合がありますので絞り出して廃液します。そうして傷を縫合し脂肪吸引を終了します。
術後は内出血を防止するために吸引部全体を圧迫固定します。

ー 採取した脂肪の加工

採取した脂肪を注入用の脂肪に処理します。

1.余分な水分・組織・細胞の除去

採取した脂肪組織に専用のフィルターを通して遠心力によって脂肪細胞に分離する方法、コラゲナーぜなどの酵素を使って余分な細胞を分解して脂肪細胞だけを抽出する方法など、脂肪を処理する方法にはいろいろな手法・技術があります。
どの手法が良いのかということについては一概には言えませんが、多くのクリニックでは専用フィルターを使った分離方法が採用されています。

2.純粋な脂肪細胞を抽出

遠心分離によって純粋な良質な脂肪細胞を抽出します。

3.注射器に充填

採取した脂肪細胞を注射器に詰めて注入できるようにします。

- 脂肪の注入・移植

注射器に充填された脂肪を目の下に注入していきます。

1.注入部位の確認

注入部位を確認し、必要に応じてデザインを描きます。

2.脂肪を注入

作成した脂肪を目の下に注入していきます。

脂肪注入の手術時間

60分(両側)

脂肪注入の麻酔

脂肪注入の標準的な麻酔は「局所麻酔」です。
吸引する皮下脂肪の範囲に麻酔薬を散布します。目の下については基本的には注入範囲に麻酔クリームもしくはテープを貼って注入していきます。
手術中の痛みが心配な方は、静脈麻酔やリラックス麻酔(吸入麻酔)を併用することで大きな苦痛を感じることなく脂肪注入が可能です。

脂肪注入の術後の経過

脂肪注入の術後の経過についてご案内します。

(腫れ・内出血)
・吸引部  内出血ですが、脂肪を採取した部位は3〜5日程度内出血が出てしまうでしょう。腫れも同じ程度の日数です。
・目の下  腫れや内出血というのはほとんどありません。

(痛み)
術後の痛みはほとんどありません。内服で十分コントロールできる程度のことです。

(日常生活での注意点)
治療後、2〜3日は炎症を抑えるために目元を少し冷やすことを推奨しているクリニックが多いです。入浴は当日は避けて翌日から基本的には可能です。
洗髪や洗顔も翌日以降です。

(術後の通院)
脂肪注入の術後の検診ですが、1週間後・1〜3ヶ月後の2〜3回の通院が推奨されています。

(仕上がり)
目の下の脂肪注入の仕上がりですが、2週間後でほぼ仕上がりの状態と考えて良いでしょう。注入なので特に傷などが残っているわけではありませんので。

脂肪注入のリスクと問題点

ここでは目の下への脂肪注入のリスクや問題点についてご紹介します。
脂肪注入でやっぱり気になるのが注入した脂肪の生着率です。しかし、脂肪の生着率に明確なデータはありませんのであまり参考にはしないことです。
脂肪注入には以下のような問題が潜んでいます。

・しこりの形成    ・効果を実感できない   ・左右差
・膨らんでしまった  ・感染による炎症反応   ・色素沈着 など

脂肪注入の料金

脂肪注入の費用ですが、注入する量によって違ってきます。
目の下への注入ですが、概ね2〜4ml程度使用しますので、その料金は30〜40万円程度とお考えください。

脂肪注入(下まぶた) : 30〜40万円

この費用には使用する脂肪量に合わせた脂肪吸引の料金も含んでいるとお考えください。

脂肪注入に関するさまざまなご質問

Q&A
Q:注入した脂肪はしこりになったりしませんか?

注入した脂肪ですが、今の処理方法は以前のような手法とは違いますし、注入の方法も同じ場所に多くの脂肪を注入する訳ではありませんので、しこりができる心配は基本的にはないと考えて良いでしょう。

Q:生着率は治療法で違うようですが、一番生着率の高い方法はどれですか?

生着率について一番優れた方法というのは、評価のしようがないのが現状です。実際には正しく比較されたエビデンスとなるものはありません。現在の状況ではコンデンスリッチファットや脂肪幹細胞を使った脂肪注入がありますが、現実的には大きな差はないと考えて良いでしょう。また、安全性についても同じで大きな差はありません。

Q:実際に注入する脂肪の量はどれくらいなんですか?

注入する脂肪の量ですが、皮膚の厚さや凹みや弛みの程度で違ってきます。一般的には片側で2ml程度の脂肪を注入すれば十分だと思いますが、注入する層によっても違いますので一概には言えません。

Q:脂肪注入と下眼瞼切開とではどっちの手術が効果的ですか?

基本的な考え方ですが、脂肪注入というのはたるみが取れるというのは、皮膚の下に脂肪というボリュームを足して膨らます、引き伸ばすことでたるみを取る治療です。つまりサイズアップするという意味です。
逆に下眼瞼切開は弛んだ皮膚を切除する、取り除く治療ですからボリュームに変化はありません。むしろ小さく絞れるということです。
そのため自然さという意味で言うのならやはり下眼瞼切開がより高い効果と満足度を得ることができると言えるでしょう。
脂肪注入は、手術(切ることに)抵抗がある方、傷跡の残したくないと言う方が選ぶわけですから当然弛み取りの効果としては下眼瞼切開よりも劣ってしまいます。しかし、何も治療しなければもっと老け込んでしまいますので、いずれの治療であっても受けるメリットというのはあると考えて良いでしょう。

クリニック選びのポイント

脂肪注入の場合、脂肪処理の方法でクリニックを選ぶということも一つの選択肢でしょう。例えば、脂肪細胞に分離させる処理として、酵素を使って丁寧に分けているなどは技術力の高さなどで信頼がおけるでしょう。
ただしその場合、再生医療法に関係してきますので、第3種の再生医療提供の届出がなされているかなどをホームページで確認することも大切です。